2007年5,6月 整地,基礎用ブロック,足場パイプによる基礎工事 | |
地面がほぼ水平になるよう整地を行い、基礎用のブロックを2段に積み上げました。 当然なことですが、ブロックの上面が水平であることを測量により確認しました。次に 足場パイプにより基礎骨組みの工事をおこなうのですが、4〜5mのパイプの一端を 竹槍のように鋭利に加工し、それを地面に突刺し、空中高く上がったもう一方の端を 脚立に乗ってハンマーで叩きます。1〜1.5mほど地中に入ると、鋭利な先端は砂利層 に達し、更に50cm〜1mほど打ち込みます。これを13本ほど打ち込むんだ後では ハンマーを握っていた手の握力がほとんどないような状態になりました。 また、足場パイプの基礎骨組みは非常に良い接地(アース)になります。 |
2007年7月 骨組みとドアーサッシの取り付け工事 |
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木材で骨組みを造り、ドアーとサッシを取り付けました。これらは足場パイプ専用の固定 金具を用いたことにより、それらの取り付け位置を調整できるため、簡単に垂直方向を 与えることが出来ました。通常の方法でど素人が建設部材を水平、垂直に取り付ける ことは難しいので、足場パイプの骨組みにより水平・垂直方向を調整する方法は 予想以上に効果がありました。 |
2007年8月 屋根の取り付けと外壁の工事 | |
揺れに対する負荷を最小限にするため屋根は出来るだけ軽く造り上げ、その後に 外壁を組上げました。外壁は横にした木板を重ね上げ、それらの間はボンドにより 接合しました。また、骨組みとの固定や端面の接合には木ネジを用いました。 外壁に用いた木板は150枚以上で、固定に用いた木ネジは2000本以上になり、 電動ドライバーの衝撃により右手は腱鞘炎になりかけました。 また、木板を重ね上げて固定するために脚立の上り下りを1日当たり数百回も 行ったため膝に支障をきたしました。 |
2007年9月 床下の基礎工事 | |
那須の夏期は頻繁に雷雨が訪れるため、先に屋根と外壁を取り付け、 ある程度、雨が建物の内部に入らない状態にした後に、床下の基礎工事 (コンクリート打ち)を行いました。 |
2007年10月 外壁工事の完了 | |
腕と膝の治療のため整骨院に通いながら、何とか外壁工事を完了することが出来ました。 機密性を保つため、最後に外壁と屋根の間などの接合部分を念入りに補修しました。 |
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外壁の内側の状態。この状態では外壁と屋根との間の 補修は行っていない。 |
外壁の最終仕上げを行った状態 |
2007年11月 床、天井工事 | ||||
床下コンクリートの上に養生シートを敷き、その上に除湿剤を撒きました。更にその上に断熱ボードを隙間なく配置し、 床下の断熱性を確保しました。最後に、床に12mmの合板を打ちつけ、その上にフローリング板を張り付けました。 次に、屋根板と外壁内側に断熱材を張り付け、次に、天井に石膏ボードを取り付けました。90cm*90cmの石膏ボードを1人で 取り付けるのは至難の業で、電動ドライバーと木ネジを持った上で、更に石膏ボードを持ちながら脚立に登り、頭の後頭部と 背中で石膏ボーを天井に押し付けながらの作業は本当に大変でした。取り付け位置が少しでもずれるとやり直しになり、 また、石膏ボードは脆いため、木ネジを取り付けた後で少しでも応力をかけると割れてしまいます。 最後に照明器具を取り付けて、天井工事も無事に完了することが出来ました。 |
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床 工 事 | 天 井 工 事 |
2007年12月 内装工事の完了 | ||
外壁同様に内壁も横にした木板(但し、厚さ2cm)を重ね上げて造りました。接合部分等の仕上げ作業を行い、クリスマスには 何とかオーディオをセットすることが出来ました。年内の最後の工事として、掃出窓を2重にすることを兼ねて、雪が降る中、 サンルームを造り上げルことが出来、ほっとしました。 |
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2008年3月 オーディオ棟建設工事の終了 | |
外壁にはカビ、腐食防止用の油性の塗料を時間をかけ、5回ほど重ね塗りを 行いました 最後に、側溝や周囲のコンクリート工事を行い、オーディオ棟の建設工事は 一応、終了しました。 |
最後に 「反省と今後」 |
@ 未経験のど素人がこれだけの建設工事を行うのは大変でした。未経験であるため、細かな作業を予想できず 年内の雪が降る前に完了させたいと思っていましたが、それは無理なことでした。特に、外壁の木板を重ね上げる 作業は予想以上の時間と体力が必要でした。 A 重ね上げている外壁の木板と木板の間をボンドで接着し、また、木板が反って隙間が空く箇所には長い木ねじで強制的 に密着させ気密性を確保しましたが、太陽光の照射により木板が反り上がり一部の箇所に隙間が生じることが多発し、 完成後1年間は何度も補修する必要がありました。また、驚いたことに接着面に隙間が生じないで、木板に裂け目が生じる 箇所もあり、木の特性を思い知らされました。このことは工法そのものに問題がありますが、建設場所の気候に十分に 慣らしていない安い輸入材を使ったことにも起因していると思います。また、季節の変わり目に隙間が多く生じ 特に太陽光が良く当たる南東側に多発し北西側は非常に少ないことは木の特性と気候との関係を考えさせられました。 B 2月の最も寒い時期、小さな石油ストーブで短い時間で部屋が温まり、暖房を切った後の夜中でもあまり室温が低下しない ため、断熱、気密に関しては所用の性能を得ることが出来たと思います。 C 湿気が篭ることはほとんどなく、梅雨の時期、他の家にカビが生えても、オーディオ棟には全くカビが生えませんでした。 しかし、壁の内部の湿度を測定すると一時的に湿気が篭っているようなデータが得られるため、調査の必要があります。 D 屋根をあまり高く出来ず、また、オーディオ試聴のためには出来る限り天井を高くしたいという相矛盾することのため、 天井裏が非常に狭くなり、太陽光により加熱された屋根からの熱流により室内温度が上昇し、断熱・機密性が高い構造 により熱が篭ってしまい、エアコンによる冷房が必要になりました。 但し、高い断熱・機密性のため、小型エアコンでも非常に短時間で所用の温度まで下がります。 E 夏期の晴天時、外気温が30℃前後で屋根のトタン温度は簡単に60℃に達しました。この対策として、熱遮断塗料を塗る 予定です。また、屋根裏近くに設けた通風用ファンの効果も試験する予定です。 F 土間を設けたためオーディオ試聴室が狭くなり、天井も高く出来なかったため、試聴室としての性能はあまり期待していな かったのですが、嫌な定在波もほとんどなく、Tanny VLZのスピーカシステムを真空管アンプで鳴らすと、VLZと部屋が 素敵なハーモニーを奏でているのには予想外の驚きでした。 以上が反省と今後についてですが、夏涼しく、冬寒く、そして外気からの湿気進入が問題になり易い那須の気候を配慮して、 高断熱・気密構造を採用した結果、夏暑く、冬暖かいという皮肉な結果になってしましました。今後、オーディオ棟の 温度・湿度環境を調査して、より良い構造とは何かを研究したいと思っています。 |
2007年4月 那須電子工房 オーディオ棟の設計 |
オーディオ棟の設計図面は基本的な構造と寸法が分かれば良い程度とし、お絵描きソフトにより作成。 設計の基本方針を次のように考えました。 @ 外壁で強度を保つ木造枠組壁(2*4)工法を用い、横にした木材を重ね上げながら箱型の外壁を造る。 外壁による強度と断熱性を高めるため、その木材の厚さを4cmとする。 A 高断熱構造とし外壁に厚い木材を用いると共に、外壁の内側に断熱材としてガラスウールを貼り付ける。 また、屋根板の内側にも同様にしてガラスウールを貼り付ける。床下は全面をコンクリート打ちとし、 更に、その上に除湿剤と断熱材を配置し、結露対策も施す。 B 床下の通風孔を屋外に面する箇所ではなく、試聴室と土間の間に設け、床下に侵入する空気の温度と湿度を制御できる ようにする。また、床下と壁の内側、そして屋根裏は空気が循環できるようにする。更に、外壁上部に通気用Fanを取付け、 屋根裏等に溜まっている熱気などを外部に放出できるようにする。 C ど素人が1人で建築できる大きさ、工法とし、建物外寸を520cm(W)*330cm(D)*330cm(H)に。また、1人で外壁の組上げと 柱、サッシ等の水平、垂直だしを容易にするための仮の支えとして、足場パイプにより基本的な骨組みを造る。 D 音響特性を配慮して、内壁は外壁同様に横にした木板を重ね上げ、床下は厚い合板を貼り付けた上にフローリング板を 貼り付ける。また、天井を出来るだけ高くとるようにする。 E 断熱性と通気性を考慮して、外壁と内壁の幅を25cm程度に厚くし、また、窓のサッシは2重にする。 |