No.3 2010/02/13 新たな日本の産業構造の構築
 日本の産業構造はグローバル化と地域活性化、地産地消の言葉で代表されるローカル化の二極化しています。

 どちらの産業構造も必要ではあるが、グローバル化とは日本に蓄積された技術・ノウハウが拡散することを意味します。


 すなわち、グローバル化だけでは日本の産業は衰退していきます。

 グローバル化の弊害を防ぐにはローカル化が必要不可欠であると考えます。

 そのためには、地域に眠っている過去の技術・ノウハウを発掘、集積、蓄積し、それらの新たなる組合せを創造することにより

 新たな産業が生まれると考えます。

 また、それを実現するには地域共同体を通じた信頼できる人間関係を構築し、信頼関係が構築された消費者と生産者の

 協同関係が必要であると考えます。

 このようにして新たに生まれた技術・ノウハウには地域のアイディンティティが注入され、グローバルな市場においても

 拡散し難い特徴を持つことになります。

                                      
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No.1 2009/08/17 8/30総選挙と産業技術
  8月30日は日本の将来を決める衆議院選挙です。あなたは自民党に投票しますか、それとも民主党ですか?

  産業技術的観点から自民党の主張を分析すると、20世紀型産業構造を維持することに力点が置かれていると言えます。

  また、民主党の主張からはこれからの産業構造をどうするかというビジョンが見えてきません。

  私は(産業構造)=(社会構造)と考えています。つまり、産業構造の議論なくして、これからの社会のあるべき姿を論じることは、

  根と幹を見ないで枝と花のみ見ることと同じであり、本質的な社会改革を行うことは困難であると思います。

  民主党を非難しているのではなく、これからの産業構造のあり方を練り上げて、民主党もそのビジョンを国民に示してもらいたい

  と思います。

  私は長年、石油、電力、半導体、自動車などの分野で開発技術者、技術コンサルタントとして活動してきました。そのような

  私が今、感じることは、これらの20世紀を代表する産業は成長、成熟期をへて、すでに衰退期に入ったということです。

  そして今、私が考えていることは、これらの20世紀型産業技術を如何にして新分野に応用展開していくのかについてです。

  新分野とは環境、新エネルギー、農業、そしてセキュリティなどの安心・安全に関する分野です。そして、20世紀型産業技術を

  21世紀型産業分野にシフトし、21世紀型産業の成長を大きく推進するには、民間任せでは不可能です。そのためには、

  国家の強いリーダシップによる産業構造改革だけでなく
政治、官僚機構改革、そして税制と地方の改革も必要不可欠です。
「産 業 技 術 論」講 義
2004〜2006年度の3年間、群馬大学大学院工学研究科において講義した内容です。
  産業技術論講義1 『産学連携、大学教育と産業技術の革新』 詳細を見る
  産業技術論講義2 『科学と技術』 詳細を見る
  産業技術論講義3 『日本の産業技術』 詳細を見る
  産業技術論講義4 『日本の産業技術の具体的事例』 詳細を見る
  産業技術論講義5 『ベンチャー論』 詳細を見る
  産業技術論講義6 『追加−具体例の紹介』 詳細を見る
No.2 2009/08/20 21世紀型産業の育成と望まれる政策
 石油、家電、半導体、自動車などの20世紀型産業は衰退期に入り、薄利多売現象が生じ収益が悪化しています。

 それらに代わり、環境、新エネルギー、農業、そしてセキュリティなどの安心・安全に関する分野を中心とする21世紀型産業

 を大きく成長させるには、思い切った社会構造改革が必要です。その基本的内容は次のように考えます。

 @ 21世紀型産業構造のあるべき姿を作成し、このビジョンに基づき官僚機構を再編成する。

 A 20世紀型産業の企業を21世紀型産業にシフトさせるため、法律、財政面を整備する。
   
 B 20世紀型産業技術と21世紀型産業の交流を強力に促進するシステムを構築する。(教育面も含めて)

 C 20世紀型産業の維持のための政策は必要にして最小限にとどめる。(道路建設も含まれる)

 D 今までの大企業と下請けとしての中小企業との関係は20世紀型産業システムであり、これを改革する。
   具体的には、一律な中小企業への救済は必要にして最小限にとどめ、下請け構造から脱して自力で21世紀型産業に
   チャレンジする中小企業に特化して支援する。


 E 大企業と中小企業の関係同様に、中央と地方の関係も20世紀型産業システムに基づいて構築されており、これを改革する。
   自力による21世紀型産業構造構築に基づく地方再生を促すため、権限を大幅に国から地方に移管する。

 F 衰退期に入った20世紀型産業における平均賃金が低下することは当然なことであり、派遣社員やパート社員のコストを
   低く抑えることにより正社員の給与の低下を出来る限り抑えていることが、格差や社会不安を増幅しているだけでなく、
   産業シフトを阻害している。時代の流れに逆行している諸政策を至急、改める。


 G 兼業農家などの個人農業者主体の20世紀型農業システムを企業型組織主体の21世紀型農業システムに改める
   諸政策を行い、食糧需給率の向上を目指す。

 H 20世紀型産業においては輸出中心で製造者(シーズ)主体であったが、21世紀型産業においては消費者(ニーズ)主体
    になるため、企業より個々の国民の生活が豊かになる社会システムを構築する(物質的というより精神的側面が重要)。