今年は秘伝青大豆ではなく、新たな品種の新潟津南産さといらずを初めて蒔きました。さといらずの
最適な開花時期(日長反応性)を調べるため、播種時期を1畝毎、変え、5月28日、6月7日、6月21日、
6月27日に行い、数日後に無事、発芽し、発芽率はほぼ100%でした。

7月初旬には全ての畝に子葉が展開し、7月中旬には畑全体が本葉で覆われる状態になりました。
6月20日 撮影 7月8日 撮影
8月4日に最初の1株(5/28播種分)が開花し、8月22日には6/27播種分も含めて全ての株が開花しました。
播種から開花までの期間は次のようで一律ではなく、遅く蒔くとその期間は短くなります。
 ・5/28播種:65日〜70日 ・6/7播種:60日〜65日 ・6/21播種:50日〜55日 ・6/27播種:45日〜50日
8月6日撮影
6月〜9月の間、ほぼ毎日のように雷雨が発生しました。培土を何度も行い畦丈を高くする必要があります。
雨が降ると畝と畝の間は川のようになります
雷雨の前 雷雨の中 雷雨の後
株の背丈 各成長期の時期 収穫
8/6 8/17 9/9 開花 莢伸長 子実
肥大
収穫日 1粒当たりの重さ 1株当たりの粒数
5/28播種 70〜75cm 75〜95cm 85〜95cm 8/ 4〜 8/17〜 9/6〜 11/1〜11/7 0.48g 95
6/ 7播種 60〜65cm 70〜90cm 80〜95cm 8/ 8〜 8/18〜 9/8〜 0.46g 83
6/21播種 50〜55cm 60〜70cm 75〜90cm 8/11〜 8/20〜 9/10〜 0.44g 95
6/27播種 40〜45cm 55〜65cm 75〜85cm 8/14〜 8/22〜 9/12〜 0.44g 92
@ 5/28播種と6/27では種を蒔く時期が1カ月も離れていたにも拘らず、開花の時期の差は10日位で、
   収穫のそれは更に少なく1週間以内であった。

A 株の背丈が最も成長したものは5/28播種分であった。
B 最も1株当たりの粒数が多かった、つまり莢数が多かったのは5/28播種分であった。
C 最も1粒重が大きく、形が大きかったのは5/28播種であった。
D 種(H22新潟津南産)の1粒当たりの重さは0.44gであり、それより5/28,6/7播種分の重さ の方が大きく、
   表面の青色もより濃厚であった。

早く播種すると開花までの期間が長くなり、その分、茎と葉が成長する。開花期以降は莢の成長と子実の肥大となり
収穫につながるが、逆のこの時期は根粒菌の活動が低下する。これを補うように葉や茎のタンパク質を分解し子実に
供給するため、葉や茎のある程度の成長は子実肥大のために必要と考えられます。
 しかし、元肥を化学肥料で過剰供給すると、根粒菌の活動が低下し、茎や葉だけが大きくなり子実の肥大を阻害、
所謂、”ツルゴケ”の現象が生じます。
 即ち、増収のためには、根粒菌の活動を活発にしながら地力を高める土壌改良が必要だと考えます。
 また、1粒重が大きいということはより大粒な大豆ということであり、美味しい豆腐作りのためにより適した大豆で
ある可能性があります。
さといらず大豆の栽培のまとめ