ATWATER-KENT と言えば古典ラジオでは有名なメーカーです。特に最初期型の Model 10A(1924 年)はマニアの間では人気の高い製品で、また、弊館の展示品でもある Model 33(1927 年)は現代のラジオと比べても高感度なラジオです。
今回、1920 年代ではなく1934 年製のModel 185A を入手しました。
1920 年代の横型ではなく縦型のミゼット型(大きさ W30D19H39cm)で比較的コンパクトですが、外見の割に重く、ケースは木製の高級家具のような美しい仕上げで製造から80 年以上経過しているにもかかわらず表面は光沢があり、ほとんど修繕の必要がない状態です。
手元に届いた時点で、一応、動作をしていましたがボリュームを上げると発信音が出たり電線の被覆に劣化が見られましたので、簡単な修繕を行うことにしました。
シャーシ内部の電線の状態を見ると、予想以上に劣化が進み今にも電線間がショートしそうな状態で、更に応急処置的な修繕の後があり良い状態とは言えないので、配線の全てを交換することにしました。
今回は一部のコンデンサを除き他の部品を交換しない簡易修繕としました。修繕が完了した後、再び作動したところ夜間の電波状況が良い状況とは言え、遠方のラジオ大阪(1340kHz)や北海道HBC(1287kHz)など10 局以上の放送を受信し、その高感度な性能には驚きました。
資料「ATWATER-KENT Model 185A の概要」(pdf.ファイルにリンク)
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