ラジオなどの無線機器にはアンテナの存在が必須です。しかし、多くのラジオの外観にはアンテナが見えません。これはループアンテナの一種であるバーアンテナが内蔵されているからです。
ループアンテナと言っても形状や性能も大きく異なります。今回、5種類のループアンテナを切替て、その性能の違いを体験することが出来るループアンテナ性能比較用真空管ラジオを製作しました。ループアンテナを切り替えることにより感度が大きく変わることを体験することが出来ます。
周波数が500~1600kHzのAMラジオの電波をうまく受信するには、本来であれば10m以上の大きなアンテナが必要です。それに比べて小型のループアンテナの性能はかなり落ちるので、これを補うため高周波増幅が必要です。今回製作したループアンテナ性能比較用真空管ラジオは真空管12AT7による2段増幅を行っていますので、ラジオの送信局から遠く離れた那須においても十分な感度でラジオ放送を受信することが出来ます。
真空管12AT7は現在でも世界的に多く作られている低周波電圧増幅用の双3極管です。主にオーディオなどのプリアンプなどに多用されています。5極管などの高周波増幅用の真空管は数多くありますが、今回はわざわざ、低周波電圧増幅用の双3極管12AT7を使用してみました。その意図は何でしょうか?UX-201Aなどの初期の真空管の歴史にそのヒントがあります。
参考資料:「ループコイルの設計・製作・評価試験」(pdf.ファイルにリンク)
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