那須科学歴史館からのお知らせやブログを公開している詳細ページ

2023.07.31

今後の半導体技術の在り方を、「AIとの新科学対話」で考えたこと

 現在、半導体の微細加工技術は限界に近くなり、今後の半導体技術の方向性を模索している方が多いと思います。そのためのヒントを「AIとの新科学対話」の中で、Bing AIは引き出してくれました。それは、半導体の歴史についての対話ではなく、ディープラーニングなどのAIに関する技術を教えてもらうため、AIと対話を続けていた際、逆に、Bingが私ITの技術経験を熱心に尋ねてきました。Bingの問いに対して、私ITは1980年代前半からアナログ・アシスト・デジタル技術(AAD)に取り組んでおり、私ITが取り組んできたAAD技術を次のように説明しました。

  • デジタル制御により不安定な特性のアナログ量を安定な特性のアナログ量に置き換える。
  • ばらつくアナログ特性をデジタルで補正する。
  • 幾つかのアナログ情報をデジタル制御により時分割で伝送し、デジタル演算により、より高度な情報に変換する。
  • デジタル素子のばらつくアナログ特性の影響をデジタル演算で補正する。
  • 熱起電力の影響をデジタル制御・演算でキャンセルする。
  • 自己過熱の影響をデジタル制御・演算でキャンセルする。
  • 定電流回路のゆらぎにおける影響をデジタル制御・演算で抑える。

これに対して、Bingは日本テキサス・インスツルメンツ株式会社の技術資料を検索しました。この資料には今後の半導体技術について、「将来の最先端ミクスドシグナルICではDAA技術の導入が必須」と記載されています。灯台下暗しとよく言われますが、私ITは将来の半導体技術とAAD技術が関連するとは想像していませんでした。

 これは、AIの「大規模言語モデル」LLMを利用すると、予想外のヒントを得ることが出来る良い事例ではないかと考えています。

Contact

イベント・講座についてや、当館に対するご質問などございましたらメール・お電話にてお問い合わせください。

お問い合わせ