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2023.09.04

量子もつれと波動関数の収縮の関係について

 ”量子もつれ”は量子コンピュータの基礎概念に深く関連しおり、非常に多くの方が興味を持たれている現象です。また、量子力学の誕生時点から、多くの科学者にとっても奇妙な現象として思われている”波動関数の収縮”について、あくまでも、仮説の域を出ませんが、”この二つの現象は相関がある、と言うより、量子もつれから波動関数の収縮の現象を説明できる”のではないかと私は考えております。

 基本的には多粒子系の各粒子間に非局所的遠隔作用が働くことにより、量子もつれが生じます。各粒子の状態の波動関数は重ね合わせの状態にあるため、系全体が1つの状態にあると言えます。ある粒子の位置や運動量などの状態を観測すると非局所的遠隔作用により瞬時に他の粒子の状態も決まります。この量子もつれの現象において重要なことは、粒子数が保存されるということです。

 この観測によって粒子数が保存されるということを、1個の電子の状態について考えます。例えば、1個のピンホールに1個の電子を照射すると、ピンホールを波源として多くの波動関数が重ね合わさった状態でスクリーンに向かて波が照射されます。そして、スクリーン上においては、ある状態関数に対応した位置で粒子が観測され、この時点で波動関数の収縮が生じます。これは、観測されたある波動関数の粒子数が1となったことになり、元々の粒子数の数も1であるため、他の波動関数は消失することになります。以上の思考実験は、1個の電子による2重スリットの実験についても同様です。

 以上の内容は、机上での仮説にすぎませんので、今後、理論と実験面での検証が必要であると考えます。

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