「世界最高の蓄音機で聴くジャズと歴史」セミナーは当初、11月25日のみの開催(定員12名)の予定でしたが、参加希望が多くありましたので、25.26日の開催に変更し27名の方に参加頂きました。また、音楽の専門家やジャズ・マニアの方々から多くの感想やご意見を頂き、音楽の素人の講師にとっても、非常に有意義な内容となりました。
印象的であったことは、参加者全員が熱心に聴き、蓄音機Credenzaが奏でるジャズが予想以上に良い音と感激された方が多かったことです。また、チャーリー・パーカーのSummertimeの演奏の際、講師の田澤が参加者に対して、「何故、モダン・ジャズBe Bop創始者のチャーリー・パーカーがポピュラー・ソングとも言えるSummertimeを演奏したのかについて、感想や情報があれば教えて下さい」との問いかけに対し、後日、参加者のある方から次のような感想を頂きました。
「Summertimeのバックではオーケストラのような弦の音がしました。この頃のジャズでオーケストラをバックにしたのは聞いたことがありません。スタンダードの曲で、贅沢をしてたかったんではないでしょうか?Charlie Parkerのサックスの音は非常に気持ちよさそうでした。」
また、ある音楽家(参加者)の方からは、チャーリーパーカーのSummertimeについての興味深い情報と、次のようなコメントも頂きました。
「Bassの音が、冒頭のソの音が、周波数が大体100Hzあたりと思われ、当時の編曲で良い録音状態の楽曲は、編曲的にも、周波数帯域に収まっているものが多かったかもしれないと思うと、調べることが一気に増えました・・・・」
以上の感想や情報をきっかけとして、チャーリーパーカーのSummertimeの録音が生まれた背景について調べてみました。この結果を資料として「チャーリーパーカーのSummertimeの録音についての背景」(pdf.ファイルにリンク)にまとめましたので、ご興味のある方はクリックしてみて下さい。
追記になりますが、先ほどの情報とコメントを頂いた音楽家の方から、新たなコメントを頂きましたので、参考までにご披露いたします。
「ビバップ時代を経て、それまで多く作られてきた楽曲のコード進行から教会旋法の音階を用いることで、より演奏の自由度を高めることになっていきますが、Summertimeは、原曲がもともと教会旋法(ドリア旋法)を用いた楽曲ですので、そういう意味で、自由に演奏しやすかったのだと思います。(それまでポピュラー音楽で主に使われていた和音進行ですと、進行の仕方に決まりがあり、音楽的に整頓され明確に聞こえる利点はあるものの、使える音に制限がありました)また、原曲がオペラということがあり、しっかりオーケストレーションされた譜面も出版されていたことで、原曲に忠実なアレンジがなされ、まさにジャズとクラシックの融合が非常に良い形でできたのではないかと思いました。」
・ 参考資料「世界最高の蓄音機で聴くジャズと歴史」セミナーのパンフレット(pdf.ファイルにリンク)
・ 参考資料「世界最高の蓄音機で聴くジャズと歴史」セミナーの資料(pdf.ファイルにリンク)
イベント・講座についてや、当館に対するご質問などございましたらメール・お電話にてお問い合わせください。
お問い合わせ