1874年にブラウンが鉱石の整流作用を発見したことにより最初の半導体が登場しました。
その現象は鉱石(黄鉄鉱、方鉛鉱など)に金属針を接触させショットキー障壁を形成させることによります。鉱石による半導体の動作が不安定であるという問題がありましたが、1939年にラッセルがゲルマニウムによる半導体(ダイオード)を発明することにより、この問題は解決しました。
1947年にバーディーンがゲルマニウム・ダイオードの整流作用の実験において、もう一本の金属針を立てて電圧分布を測っている際に間違って電圧を印加したところ、メーターの針が大きく振れる現象に気づきました。これにより点接触トランジスタとそれによる増幅作用を発見しました。更に、1948年にショックレーがPNP接合型トランジスタを発明することにより半導体の時代の幕が本格的に開けました。
そしてトランジスタの材料がシリコンに代わり、また半導体の微細加工技術が年々向上したことにより、1959年に集積回路IC(integrated circuit)が登場し、更に1970年に大規模集積回路LSI(Large Scale Integration)が登場し、半導体の集積密度が18~24ヶ月で倍増し半導体の性能が指数関数的に向上しました。(ムアーの法則)
金属の両端に印加する電圧の極性を逆にしても同じ値の電流が逆方向に流れます。半導体の場合は一方向にしか電流が流れません。この現象を整流特性(非オーム特性)と言います。
LSI(Microcomputer)の内部は精密な工場団地の様です。
コンピュータ科学・技術の歴史は1649年のパスカルによる歯車式加減算機と1674年のライプニッツによる歯車式乗除算機、つまり機械式計算機の発明に端を発します。また、19世紀の中頃、ブールが書作「論理の数学的解析」において、人間の持つ論理的思考の1つである演繹的推論が計算可能であることを示しました。そして1936年にチューリングが演繹的推論を計算するための仮想計算機(チューリング・マシン)の概念を提唱しました。
20世紀に入りエレクトロニクスの発展とともに、1937年にシャノンは電子回路(スイッチのON/OFF)でブール代数、すなわち、電子回路で演繹的推論を計算できることを示しました。更に1945年にフォン・ノイマンがON/OFF(2進法)による計算をプログラムに従って逐次的に進めていくノイマン型コンピュータを提唱し、1949年に真空管によるプログラム内蔵式電子計算機が誕生しました。そして、1954年には論理の基本を担う素子が真空管からトランジスタに代わったトランジスタ・コンピュータTRADICが誕生しました。
また、1956年に開催されたダートマス会議においてジョン・マッカーシーが「人間のように考える機械」を「人工知能」と名付け、ここに「人工知能」という言葉が誕生しました。また、1985年にドイッチュが量子コンピュータの計算モデルを提唱し、2011年 にD-Wave社(カナダ)が世界初の商用量子コンピュータD-Wave Oneを発表したことにより本格的な量子コンピュータの時代の幕が開けました。
1971年にビジコン社が電卓141-PFのための汎用LSIを開発する過程で最初のMC(Micro Computer) 4004(4 bits)が誕生しました。また、1976年には8 bits MCのMOC 6502を採用した世界初のPC(Personal Computer)の AppleⅠ(アップル社)が誕生しました。1974年には8bits MCの8080、6800、1976年にはZ80が誕生しました。更に、1978年には16 bits MCの8086、1979年には68000が誕生し、年々、MCの性能が向上していきました。
実際に見たり、触ったりしていただきながら、歴史と科学を交えた解説とともに体験をしていただけます。
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